公開日:2021/06/15
マイホームについて調べていると、「ハウスメーカー」「ビルダー」「工務店」といった言葉をよく目にします。どれも家づくりをしている企業であるということはなんとなく理解していても、それぞれどのように区別されているのだろう?と疑問を感じる人は多いはず。今回は、その定義とメリット・注意点も合わせて解説します。
ハウスメーカーとは、販売拠点が「広域」で、「注文住宅」と「賃貸住宅」を取り扱う企業のことを指します。「広域」というと曖昧な表現ですが、首都圏、中部圏、近畿圏などの幅広い地域を販売拠点としていることです。
基本的には一般の顧客から住宅の請負を行なっており、建売住宅を供給のメインとしている企業は含まれません。また、一般社団法人プレハブ建築協会では、年間300戸以上、又は延べ床面積3万平方メートル以上の建物を供給している企業であることも条件とされています。
それでは、ハウスメーカーで家づくりをするメリットと注意点について解説します。
■メリット
ハウスメーカーには戦後から長きにわたって事業を続けている企業が多く、住宅建築に関しての豊富な知識や高い技術力が強みとなっています。一般的な住宅はもちろん、併用住宅や医院建築など、様々な形に対応することができます。
また、住宅そのものの構造や性能だけでなく、「暮らし方」についての研究も進んでいるため、各メーカーのオリジナル商品・仕様のバリエーションが豊富な点も大きな魅力です。そのほかには、ハウスメーカーによって「初期30年保証」のような長期保証を実現していることや、グループ会社があることでリフォームや売却などの相談にもスムーズに対応してもらえることなどがメリットとなっています。
■注意点
ハウスメーカーを利用する際の注意点は、広域での事業展開をしているため、転勤などで担当者が変わってしまう可能性があることです。もちろん、その場合はしっかりと引き継ぎを行って丁寧にフォローしてくれることがほとんどですが、家づくりは人生の一大イベントであるため、信頼できる担当者に最後までお願いしたい!という人には少し残念なポイントとなってしまいます。
ビルダーとは、ハウスメーカーよりも小規模・地域密着型の企業を指します。具体的には、年間20棟以上の住宅を供給していることが条件とされています。複数県にまたがり年間1,000棟を超える住宅を供給している大型ビルダーから、年間20棟ほどの供給数の小さなビルダーまで、その規模は様々です。
ビルダーで家づくりをするメリット・注意点はどのようなものがあるでしょうか。
■メリット
ビルダーの最大の武器は地域密着経営であることです。その地域の風土・特徴に合わせた家づくりを得意としていることが多く、施工エリアを限定しているためアフターフォローも充実しています。また、小規模であるため融通や小回りが利くのも大きなメリットです。
■注意点
先述の通り、その地域に合わせたこだわりの仕様や性能を持つのがビルダーのメリットですが、企業によっては得意としているパターン以外には対応していないという場合もあります。自分の理想とする家づくりが可能な企業であるかどうか、しっかりと見極めて選ぶことが大切です。
持家・賃貸・分譲の住宅供給棟数が年間20棟未満の企業を指します。工務店もビルダーと同じく、地域密着型の経営であることが特徴となっています。
ハウスメーカー、ビルダーと比較して規模が小さい工務店ですが、工務店を利用するメリット・注意点にはどのようなものがあるのでしょうか。
■メリット
「年間の供給棟数が少ない=実績がない」というわけではなく、あえて販売棟数の制限を設けることで「高品質で丁寧な家づくりを目指している」という企業もあります。一棟一棟オーダーメイドの家づくりをしている企業もあり、細部までこだわった理想のマイホームを手に入れたい!という方には工務店がぴったりです。また、家族経営のような小さな工務店であれば、困ったこと、分からないことを気軽に相談できるアットホームな雰囲気も魅力です。
■注意点
工務店は規模が小さく、営業部門などを置いていないことも多いです。土地探しやローン関連の相談など、付帯業務については得意ではないケースもありますので、事前にどの範囲までをお願いできるか確認しておくのが良いでしょう。
これから家づくりを始めるという人は、まずどの企業にお願いするのかを検討しなければなりません。「大手メーカーで安心の家づくりをしたい」「細かいところまでこだわれるよう、融通の利く小規模なところが良い」など理想のマイホーム像とともに、どんな人とどんな家づくりをしたいのか、ということについてもじっくりと考え、理想の業態・企業を見つけてくださいね。