公開日:2020/07/01
静岡で住宅を建てる時、依頼先としてのハウスメーカーは非常に多く存在します。その中から適切な会社を選ぶことは簡単ではありません。ハウスメーカーと工務店の違いや会社ごとの特徴を知ることは家を建てる時に必要なことです。
そこで今回は、失敗しないハウスメーカーの選び方を誰にでもわかりやすく解説していきます。
静岡で住宅を建てようとする場合、依頼先として最初に迷うのがハウスメーカーと工務店の選択です。両者はどちらも住宅の建築を依頼すれば、応分の仕事をしてくれます。でき上がった住宅を見ただけでは、両者の違いを見分けられないでしょう。しかしこの両者はかなりの違いがあり、選び方に影響を与えます。
工務店は住宅の大工組織が近代化したもので、多くは会社組織となっています。木造建築をまとめる大工の棟梁が中心となり、各種の職人を会社の内外で囲い込み、施工する専門のチームを組織しています。工務店に依頼すると、昔ながらの大工の棟梁に依頼するのと変わらないサービスを受けることになります。
それに対してハウスメーカーは戦後に会社として組織されました。初めは住宅本体以外の勉強部屋等の付属建物を軽量鉄骨造で工場生産し、必要な家庭に販売していました。その後に住宅本体の生産と販売をするようになり、中には団地の造成などの大きな事業を手掛けるところも出現することになります。
木造や2×4工法を手掛ける専門の会社やローコスト住宅を提供する会社なども出現し、現在は会社の数が増えています。工務店はよい住宅を建てることが目的の職人気質が残っていますが、ハウスメーカーの目的は利益をあげることです。顧客はターゲットと位置づけ、コストをかけない住宅をつくって利益を出そうとする本質はどの会社も変わりません。
静岡でハウスメーカーを選ぶ場合は、その会社が得意とする工法の違いで選ぶことが考えられます。会社の中にはほとんどすべての工法の住宅を提供する会社もありますが、得意とする工法を持つか推薦しているのが普通です。また、ほとんどのハウスメーカーは自社が得意とする工法を持っています。
提供する工法として代表的なものに軽量鉄骨プレハブ工法があります。工場生産が可能で、製作単価を抑えることができ、品質も高い水準を確保できる点が特徴です。工務店はこの工法ができないために、差別化を図る点からも効果的となっています。
さらに、木造は在来の軸組み工法と外来の2×4工法にわかれます。在来の軸組み工法は柱と梁で躯体を組む方法で、工務店でも用いられています。2×4工法は工場で生産された木質系パネルを現場で組み立てる工法です。工場生産が可能なので施工費が抑えられる他、大工のような熟練工を必要としないメリットがあります。一部の輸入住宅を販売する会社も、多くは2×4工法を採用しています。
特殊な工法としては鉄筋コンクリートパネル工法がありますが、取り扱う会社は限られています。本格的な在来の軸組み工法以外は、いかに生産コストを抑えるかの要請により開発された工法といえます。経年の少ないうちは初期の性能が維持されますが、経年により耐久性が低くなる傾向があるので、注意が必要です。
静岡でハウスメーカーを選ぶ場合は、ローコスト住宅の選択肢もあります。多くは専門の会社から提供され、工務店が建てる木造住宅よりも安い価格で提供されるのが一般的です。
ローコスト住宅はプランや仕様の統一や材料の一括仕入れなどにより全体の価格を抑えることに成功しています。ローコスト住宅の注意点は工事範囲があいまいになりがちなことなので、しっかりした契約をすることが大切となります。
ローコスト住宅を提供する会社以外のハウスメーカーは一般に高級志向です。多くは工務店が建てる住宅よりも価格帯が高くなり、仕上げ材量も高級なものです。
独自の研究により耐震性を高めていることがありますが、その会社にしかつくれないクローズド工法は増改築で依頼先の選択ができないことが不便な点となっています。
2×4工法は初めのうちは耐震性が高く、地震に対して安心できますが、湿気により劣化することがあるので注意が必要となります。軽量鉄骨パネル工法は耐震性が高く、施工の不良が出にくい特徴があります。しかし、躯体が薄い鉄板なので、騒音や外気の温度変化に弱い傾向が見られます。
住宅会社の提供する住宅の性能は、一般に価格に比例します。高額な住宅は性能がよく、ローコストな住宅は最低限の性能しか確保されていないこともあります。とくに差が出るのは耐久性で、屋根に耐久性の高い本瓦を使っているかどうかでも見分けることができます。
ハウスメーカーを選ぶ時に失敗するのは、その会社の特徴をよく知らずに選んでしまうことが理由です。会社の特徴をつかんでいれば、選択で失敗することはありません。
ハウスメーカーは工務店に比べて資本が大きいのが一般的ですが、ある程度の仕様の規格化よる自由度の制限があることは知っておく必要があります。