艶あり・艶なし?家の印象を大きく変える塗料の「艶」とは
外壁塗装で迷いやすいものの一つが、艶ありの塗料や艶なしの塗料、どちらを選べばよいのかではないでしょうか。艶によって家の印象がガラッと変わるため、慎重に選びたいところです。今回は家の印象を大きく変える塗料を取り上げ、艶の種類や艶の有無で印象がどう変わるかなどについて解説します。
艶には5種類ある
塗料の艶を一言で説明すると、光沢のことです。艶のある塗料を使用することで、外壁に光沢が生まれます。
艶の種類は「艶あり塗料(全艶塗料)」「7分艶塗料」「5分艶塗(半艶塗料)」「3分艶塗料」「艶なし塗料」と、全部で5つです。艶の度合いは60度の角度から光を当て、どの程度の割合で反射したかによって以下のように決まります。
・艶あり塗料(全艶塗料)は70以上の反射
・7分艶塗料は60前後の反射
・5分艶塗(半艶塗料)は35前後の反射
・3分艶塗料は15前後の反射
・艶なし塗料は5以下の反射
さまざまな会社で塗料を販売していますが、それぞれで艶の種類を選べるわけではありません。製造段階ですでに、艶の度合いは決まっています。そのため塗料製品によって、艶の選択にどの程度の幅があるかは変わってきます。
艶の有無でどう変わるのか
塗料に艶が含まれているか、それとも含まれていないかによって、家の見た目や耐久性、防汚性などは変わってきます。続いては艶あり塗料と艶なし塗料、それぞれのメリット・デメリットを見ていきましょう。
■艶あり塗料のメリット
先に述べたように艶とは、光沢のこと。艶あり塗料で塗装すると、ピカピカで光沢のある仕上がりとなります。築年数が経過した住宅であっても、まるで新築のような外観となるでしょう。
またサイディングをした際、デザインが強調されるメリットもあります。艶なし塗料と比べて、耐久年数が1.5年~3年ほど高いのも特徴です。ただし塗り替えをした際の外壁の状態や立地、気候などの環境によって耐久年数は大きく変わります。
防汚性にも優れています。塗装面に汚れが付着しにくく、カビやコケなども付きにくいでしょう。表面はツルツルとしているため、防水性も高くなります。
■艶あり塗料のデメリット
光沢が出ることから、これまでと同じ色の塗料を使っても、一目で塗装したことがわかってしまいます。艶の程度によっては、チープに見えてしまうこともあるでしょう。
また屋根に艶がある塗料を使用すると、太陽の光をダイレクトに反射してまぶしくなることもあります。艶自体は2年~3年ほどで消えてしまいます。
■艶なし塗料のメリット
光沢がないためマットな雰囲気が出て、住宅のデザインによっては高級さを引き立ててくれます。とくに和風の建物や、ベージュ・クリーム色の建物によく合うでしょう。さらに塗ってから耐用年数近くまで、色合いに変化が表れにくいのも特徴です。
■艶なし塗料のデメリット
光沢がないことで、人によっては地味に感じるかもしれません。また艶あり塗料と比べると流通している種類が少なく、色の選択肢が限られてしまいます。艶ありよりも防汚性が劣りますが、最近は防汚性が強化された製品も登場してきました。
艶調整塗料を選んだ際の注意点
艶調整塗料とは塗料に艶消し剤や、同じ塗料でも艶が異なるものをブレンドしたものを指します。
艶調整塗料は一般的にあつかいが難しいので、注意が必要です。塗料がしっかり混ざっていないと、塗りムラや艶ムラが生じてしまいます。塗料自体も偏りやすく、塗る際にもある程度のスキルが必要です。
そのため艶調整塗料を使用する場合は、技術力の高い業者を選ばなければいけません。
業者選びの際の注意点
最後に業者を選ぶ際の注意点を、全部で3つ見ていきましょう。
■色見本をチェックする
具体的な塗料を選ぶ際は、必ず色見本を見せてもらいましょう。一般的にはA4版で色見本を見せてくれますが、もっと大きな色見本を見せてもらえないかどうかを聞いてみてください。
同じ色でも面積が小さいもので見るのと、面積が大きいもので見るのとでは、色の感じ方が異なるためです。業者によっては追加料金を請求するかもしれませんが、失敗しないための必要な経費と考えましょう。
■色見本は屋外でチェックする
色見本をもらったら、必ず屋外でチェックしてください。屋内と屋外では色の見え方や、艶の感じ方に大きな違いが生まれます。
■現在の塗料現場を見学できるかどうかを聞いてみる
業者によっては、手抜きの外壁塗装をしているところがあります。そのため現在施工している、他の塗料現場を見学できるかどうかを聞いてみてください。実際に現場を見ることで、作業員の仕事ぶりや作業の様子などを確かめられます。
外壁塗装における塗料には、艶があるものとないものがあります。艶の度合いによってさらに、5種類にわけられます。艶のあるなしによって家の印象だけでなく、耐久性や防汚性なども変わってくるため、それぞれの特徴を理解した上で慎重に選ぶことが大切です。