公開日:2021/09/15
ハウスメーカーを選ぶときに、チェックすべきポイントはどこなのでしょうか。「理想の家を建てられる設備が導入されているか」「価格はどのくらいか」などを思い浮かべる人が多いですが、「保証の充実度」も確認しておきたいポイントです。今回は、ハウスメーカーの保証制度について解説します。しっかりチェックしましょう。
ハウスメーカーで注文住宅を建てた場合の保証とは、簡単にいうと「住宅に施工上の問題が見つかった際に、ハウスメーカーがその責任を負う(瑕疵担保責任)」といったものです。たとえば、「マイホームを購入し住み始めたら雨漏りが見つかった」というようなケースでは、ハウスメーカーが責任を負い、雨漏り部分の改善をする必要があるのです。
当然、その費用はハウスメーカーが負担することとなります。これらは「住宅品質確保促進法」という法律によって定められており、新築住宅の引き渡しから10年間は瑕疵担保責任を負うとされています。対象となるのは住宅の土台や柱、屋根などの基本構造部分です。
先述の通り、法律ではハウスメーカーは、新築住宅の引き渡しから10年間は瑕疵担保責任を負うこととなっています。しかし、マイホームの欠陥は必ずしもすぐに見つかるわけではありません。「10年」という年数は一つの区切り・境目となることが多く、10年経った頃から少しずついろいろな問題が目立ち始めるようになります。
そこで、多くのハウスメーカーでは独自に10年を超える長期での保証制度を設けています。保証制度の対象についても、法律で定められている基本構造部分からさらに範囲を拡大し、壁紙や建具などの細かい問題にも対応できるような内容となっていることが多いです。このように、ハウスメーカー独自の保証制度は法律で定められたものよりも充実した内容となっており、施主にとって大きなメリットとであるといえます。
それでは、一般的に多くのハウスメーカーで採用されている保証制度の内容を紹介します。
◾︎保証期間の延長
法律では10年間の瑕疵担保責任が定められていますが、10年を超えた保証期間を設定しているハウスメーカーがほとんどです。保証期間内に土台や柱などに問題があった場合には、ハウスメーカーが費用を負担して修繕を行います。
◾︎無料点検
ほとんどのハウスメーカーで取り入れられているのが無料点検です。無料点検は定期的に行われるため、新築での状態はもちろんですが、年数が経つにつれ劣化してきた部分についても調べてもらうことができます。
自分たちではなかなか気付けないような欠陥があったとしても、プロの点検により問題を未然に防ぐことができるのは嬉しいですね。建具の建て付けや水回りのトラブルなど、簡単な修理であればその場で対応してもらえるケースもあります。
◾︎メンテナンス
水回りのパッキン交換やシャッターの潤滑油の注油など、それぞれの設備の耐用年数に応じたメンテナンス制度も多くのハウスメーカーで取り入れられています。製造ストップによって設備自体を取り換えなければならない、といったケースを防ぐため、建材やパーツのストック保管をしてくれている場合もあります。
また、外壁や屋根の塗装の劣化が目立つ場合に割引価格で塗り替えをしてもらえるサービスなど、ハウスメーカーにより内容もさまざまです。
◾︎コールセンターへの問い合わせサービス
ハウスメーカーによっては、顧客専用のコールセンターを用意し、トラブルや心配事について気軽に相談できるような問い合わせサービスを行っている場合もあります。工事が必要となるケースではすぐに対応可能な業者に取り次いでもらえることもあり、問題をスムーズに解決できます。
次に、ハウスメーカー独自の保証制度には、会社ごとにどのような違いがあるのかを解説します。
◾︎保証期間の長さ
大抵のハウスメーカーでは10年を超える保証期間が設定されていますが、20年や30年、中には60年といったものもあり、その期間の長さはさまざまです。長ければ長いほどありがたいのはもちろんですが、内容が充実したものでなければ意味がありません。
「保証40年」などと謳っていても、それは点検を40年間定期的に行うというだけで、基本構造部分の保証は15年だけだった、というケースもありえます。表面上の期間だけでなく、その内容についてもしっかり確認しておくようにしましょう。
◾︎無料点検の内容と頻度
無料点検の内容もハウスメーカーによってさまざまです。基本構造部分のチェックのみの場合もあれば、給湯器やキッチン設備のチェックまで行ってもらえることもあります。
また、点検の頻度が3年ごとか10年ごとかでは、見つけられる問題の大きさが随分と変わってきます。無料点検によって故障を未然に防ぐことができたり、修繕費用を抑えたりすることにもつながるため、点検の有無だけでなく内容や頻度についても把握しておきましょう。
◾︎無料保証の範囲
ハウスメーカーが保証の対象としている範囲は、メーカーごとに大きな差があります。また、保証範囲を広く取っていたとしても、基本構造分のみ無料、その他の保証については有料としている場合も。どこまで無料で保証してもらえるのかを確認しておくのを忘れないようにしましょう。
長く住み続けるマイホームだからこそ、保証制度が充実しているかどうかはとても重要なポイントです。ハウスメーカーごとに違いも大きいため、契約前にその内容をしっかりと把握しておく必要があります。簡単な説明や資料のみで保証内容を解釈せず、「この保証の対象はどこまで?」「無料の範囲は?」など、他社と比較しながら細かい部分まで確認できると安心ですね。