低汚染塗料って何?低汚染塗料のメリットや種類を解説!
建物の外壁を塗装する際、業者から低汚染塗料を勧められることがあります。最近は各塗料メーカーがさまざまな低汚染塗料を開発しており、外壁塗装をする多くの顧客から人気を集めています。しかし低汚染塗料とはどのようなものなのでしょうか?今回は低汚染塗料の概要やメリット、主な種類について解説します。
低汚染塗料とは
低汚染塗料とはその名称のとおり、汚れが付着しにくい塗料のことです。塗料の塗膜に特殊なコーティングが施されており、水となじみやすい親水性が生まれます。
汚れの成分は親油性、つまり油とのなじみがよく、反対に水とのなじみはよくありません。そのため、親水性を持った塗料に付着しにくく、汚れにくくなるのです。
また雨が降ると塗膜とよくなじみ、壁に付着した汚れを洗い流してくれる特徴も挙げられるでしょう。
低汚染塗料のメリット
続いては低汚染塗料を使用することで生まれるメリットを、全部で6つ見ていきましょう。
■カビや藻の発生を抑え、美観性を保てる
1つ目のメリットはカビや藻の発生を抑えて、建物の美観性を保てることです。カビや藻は壁に付着したほこりが、水分を吸って湿ることで発生しやすくなります。とくに日当たりが悪く、一年を通してジメジメと湿度が高い場所では、発生する可能性が高まるでしょう。
先に述べたように、低汚染塗料には汚れが付着しにくい特徴があります。ほこりが付きにくくなることからカビや藻の発生を抑え、建物の美観性を保てるようになります。
■壁に雨筋ができにくくなる
壁の上から下に向けて、黒くくすんだ筋のようなものを見たことはありませんか?雨筋と呼ばれるもので、雨が降った際に汚れが上から流れてきて、筋になったものを指します。
雨筋ができると、建物の美観性は大きく損なわれてしまうでしょう。低汚染塗料を使った壁なら、雨が汚れを洗い流してくれるため、雨筋ができにくくなるメリットもあります。
■耐久性に優れている
3つ目は耐久性に優れていることです。塗料の種類や住宅環境、気候などにも左右されますが、一度塗布すると12年~15年ほどは塗膜の効果が続きます。
■遮熱効果が高い
一般的な遮熱塗料は年数が経てばたつほど、壁に付着した汚れが熱を吸収し、結果として遮熱効果が下がってしまいます。低汚染塗料はよごれが付着しにくい特徴があるため、よごれが熱を吸収するようなこともありません。
遮熱効果をできるだけ長く保ち、「夏は涼しい住空間」「冬は暖かい住空間」を実現できます。1年を通して、快適に暮らせるようになるでしょう。
■紫外線に強い
紫外線に強いのも、低汚染塗料が持つメリットの一つ。塗膜が劣化する最大の原因が、紫外線です。紫外線が外壁に当たると、「ラジカル」と呼ばれる物質が発生します。
ガンや老化の原因にもなるといわれている「フリーラジカル」と同じように、塗膜の劣化を促してしまうものです。低汚染塗料にはラジカルの発生をセーブする効果もあるので、紫外線に強く、外壁の劣化防止につながります。
■ひび割れが発生しにくい
最後のメリットは、ひび割れが発生しにくいことです。一般的な低汚染塗料は硬度がある層と、柔軟性がある層の2種類からできています。衝突や地震といった外壁に揺れが生じた際、性能が異なる2つの層が上手く動き合い、ひび割れが発生しにくくなります。
低汚染塗料の種類
低汚染塗料と一口にいっても、メーカーによってさまざまな種類の商品が発売されています。最後に主な低汚染塗料の種類をチェックしていきましょう。
■クリーンマイルドSTシリーズ
エスケー化研株式会社から発売されているのが、クリーンマイルドSTシリーズです。弱溶剤タイプのため気になる臭いが少なく抑えられ、下地適応力も高くなっています。
またセラミック複合の特殊技術を用い、超低汚染性を実現。「低耐電性」「高い架橋密度」「親水性」の3つを兼ね備え、汚れの付着を徹底的にガードしてくれます。
■超低汚染リファイン1000Si-IR
超低汚染リファイン1000Si-IRは株式会社アステックペイントが発売している、低汚染塗料です。最も大きな特徴が、美観保持機能に優れていること。「塗膜表層コーティング技術」を用いて作られており、親水性が非常に高く、汚れから外壁をしっかり守ってくれます。
■ファインシリコンフレッシュ
最後はファインシリコンフレッシュです。日本ペイント株式会社から発売されています。セラミック成分の塗料を用い、高い親水性で汚れの付着を防ぎます。
塗布する際に泡が立ちにくく、塗りやすいのが特徴です。また塗布してから乾燥までも短いので、冬の作業にも適しています。
低汚染塗料は親水性に優れており、親油性が高い汚れの付着を防いでくれます。また遮熱効果や耐久性の高さや、ひび割れが発生しにくくなるメリットも得られるでしょう。塗料の種類によって細かい特徴は異なるので、それぞれのニーズに合った商品を選ぶことが大切です。