素人でもわかる!外壁の劣化のサインとは?
よく「外壁塗装は10年を目安に実施するべき」といわれますが、実際には劣化の状況によって判断するべきです。劣化スピードは使用されている塗料や建物構造、立地などにも左右されるため、一概には塗り替えペースを断言できません。今回は、素人でもわかる劣化のサインを紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
見逃してはいけない外壁の劣化サイン
外壁の劣化として表れやすい特徴は、素人でも気づきやすいもの、プロでないと難しいもの、特殊な機械がないとわからないものなど、さまざまです。代表的な劣化のサインをご紹介します。
■ チョーキング現象
外壁を手で触ると、チョークの粉に似た粉末が付着する現象です。塗料には顔料や接着剤が含まれています。しかし外壁は常に雨風や日光にさらされており、徐々に劣化しています。
時間の経過とともに結合力が低下し、塗料の中の顔料が粉末状になって表面に付着するようになるのです。チョーキング現象は、外壁の表面を保護する機能が低下していることを意味します。
■ サビ
外壁塗装と呼ぶくらいなので、塗料の劣化だけを見ていればいいようにも聞こえますが、金属製の外装材や屋根部分にも注意が必要です。
通常は防水処理がされていますが、経年劣化でむき出しになった金属部分に雨水がかかったり、隙間から浸水したりすると錆びついていきます。徐々に広がったサビは、やがて穴が開くほどに酷くなり、高額な修理費が必要となるでしょう。
■ 色褪せ
直射日光をダイレクトに受ける外壁は、毎日少しずつ色褪せしています。チョーキングよりも先に起こるため、早めに気が付きたいポイントです。
■ ひび割れ
モルタルやコンクリートの壁に発生するひび割れもわかりやすいサインです。外壁下地まで到達していないひび割れは「ヘアークラック」と呼ばれ、厚みのある微弾性フィラーを下塗りすれば簡単に補修できます。
しかし、幅0.3mm、深さ4mm以上のひび割れは「構造クラック」と呼ばれ、外壁下地までひび割れが及んでいる可能性が高くなります。外壁下地まで到達した構造クラックは、雨水や害虫が侵入し内部を腐食しているかもしれません。
■ 塗装の剝がれ、膨れ
塗膜にできた剥がれや膨れは、雨水の浸入経路となります。劣化サインの中でも最終段階に突入しており、早期の対応が求められます。
■ コーキングの亀裂
サイディングやALCの外壁では、目地を埋めるためにコーキングが使用されています。このコーキングにも、ひび割れや剥がれが起きることがあります。経年劣化でコーキングの柔軟性が失われ、硬化すると、ひび割れや剥がれはさらに進行。そこから雨水が侵入し、内部腐食の原因となります。
劣化サインに気づいたら早期解決に動こう
素人でもわかる劣化のサインを紹介しました。紹介した劣化サインには、すぐに対処すべき段階ではないものもあります。しかし素人目でもわかるくらいに劣化している外壁は、すぐにでも補修すべきです。
たとえば、小さなひび割れを放置していると、外壁下地まで到達する構造クラックまで進行します。柱や梁にまで雨水が侵入すれば、建物の構造を腐食させ、大掛かりな補修工事が必要になります。
チョーキングも同様、放置し続けると外壁の耐水性や防水性が低下し、雨水を吸収するように。やがて雨漏りするようになり、構造部分にサビや腐食が発生します。補修工事が間に合わない状態にまで進行していれば、最悪の場合、解体を検討することにもなりかねません。
このように、劣化に気づきながら放置を続けていると、ダメージはあっという間に広がります。補修に多額の費用がかかるようになり、長期工事で足場とともに生活する不自由さもあるでしょう。確かに外壁塗装にはまとまった費用がかかりますが、初期段階で対応すれば比較的安価で補修できます。大切な家を長持ちさせるには、早めの対応がカギです。
プロに確認してもらうのも手
大きなひび割れ、剥がれ、膨れ、色褪せには素人も気づきやすいですが、チョーキングや外装材下地の腐食、内部結露はプロでないと発見が難しい面があります。劣化に気づいたとき、前回の外壁塗装から年月が経っている場合には、専門業者へ連絡して外壁の状態を調査してもらいましょう。
表面の塗装部分だけ傷んでいるのか、はたまた下地や構造まで影響があるのか。外壁の状態によって、適切な処置や補修は変わってきます。素人判断で「もう数年は大丈夫だろう」「雨漏りもないし、様子をみよう」などといっている間にも、劣化は進行しています。できれば10年を目安に専門業者に訪問してもらい、外壁の調査を依頼すると安心です。
しかし外壁塗装業者には悪徳業者も多いのが現実。突然訪問してきた業者の話を鵜吞みにしていては、必要ない工事をさせられたり、法外な費用を請求されたりと、トラブルになりかねません。外壁塗装は、地元密着型の塗装業者がおすすめです。地元での評判を大切しており、顧客目線で工事の提案をしてくれます。
今回は、素人にもわかりやすい、外壁劣化のサインを紹介しました。劣化のサインを放置していると、家の躯体まで傷めてしまい、家の寿命を縮めます。日々の点検はもちろん、定期的に専門業者に点検してもらいメンテナンスするとよいでしょう。