公開日:2020/08/01
家を建てることは一生で何度もあることではなく費用もかかりますので、後悔のないようにしたいものです。希望する家が手には入っても気になることは、住んでみてからのことではないでしょうか。耐久性や安心安全に暮らすためには「保証」がどうなっているのかも大切です。ここではハウスメーカーの保証制度について見ていきたいと思います。
静岡で家を建てた際、関係してくる保証は大別すると2種類に分けることができます。それは、「完成保証」と言って、完成し引き渡すまでを対象としたもの、そして「瑕疵担保(かしたんぽ)保証」という、引渡し後に行われるもの、この2つです。
引き渡すまでを対象としたものは、施工業者の倒産などにより建築工事が中断されることがないよう、完成するまでをサポートしてもらえます。万が一工事の中断があると引継ぎ費用の発生することがありますし、すでに支払った前払い費用も無駄になってしまうことがあります。そのようなときに決められた限度内で保証を受けられる制度です。
一方の引渡し後に行われるものは、新築住宅を建てた際には10年間の期間が法律で定められているものとなります。「瑕疵」とは建物の欠陥・不具合のことをいい、「瑕疵担保責任」は入居してから気づいた欠陥や不具合については、ハウスメーカーなどの売主が責任を負わなければならない、ということです。
責任の範囲は建物の構造部分、つまり基礎・梁・柱などの基本部分および屋根・窓・壁など雨水を防ぐ部分が該当し、その部分に瑕疵があったときにはハウスメーカーなどの売主が無料で修繕することと決められています。
ちなみに、新築住宅というのは完成してから1年未満のもので、まだ人が住んでいない住宅のことです。仮に未入居であっても1年以上経ってしまった住宅はその対象ではなくなりますので、注意が必要です。
静岡をはじめ全国の新築住宅の保証期間については、「品確法」および「住宅瑕疵担保履行法」によって定められ、瑕疵担保保証責任として10年が義務付けられていますが、地域の施工業者は「保険」に加入していることが多く、ハウスメーカーなどは主に保証金の「供託」により運営しているといわれています。
責任を果たすためには、資金を確保しなければならないため、売主である事業者はこれらいずれかの方法をとることも義務付けられているのです。これにより、万が一受け渡しから10年以内に売主が倒産することがあっても、顧客は補修サービスなどを受けることができるようになっています。
一般の製品よりも長い10年という期間が定められている理由は、住宅が「耐久消費財」にあたるためです。耐久消費財とは、家電・車なども該当し、長く使用されるもののことです。
たとえば新車であれば3年間または一定の走行距離までと定められていますが、住宅に10年という期間が設けられていることは、さらに長く使用されるものである点と、人の安全や安心を守るものである点にあります。
通常、地域の施工業者は瑕疵担保責任期間の10年より長い初期期間を設定していることが多いです。その理由にハウスメーカー、とくに大手になると経営が安定していて断続的に定期点検・メンテナンスが行える、という背景があります。さらに、アフターサービスが充実しているなどフォロー体制がきちんと構築されている点も大きいようです。
前述した法律で義務付けられた10年間のフォロー以外に、各事業者ではオリジナルの制度を設けているところもあります。静岡で家を新築するにあたりハウスメーカーを選定する際の要素の一つとして、その点も考慮するとよさそうです。
どのようなものがあるか具体的に見ていくと、まずは「構造躯体部分のフォロー期間を延長」しているメーカーがあります。義務付けられた基本の10年間だけでは充分でないこともあり、各企業ではそれにプラスした年数を設定している場合があるのです。
内容は、原則的に法に定められた期間と同じサービスを行う場合が多いようです。つまり、基本構造部分に不具合が生じた場合に無償で補修を行います。
次に「無料点検サービス」を行っている事業者も多くあります。たとえば、屋根・外壁塗装の状態や雨漏りが起こりやすい部分の点検などをしてくれるものです。年数が経つにつれ家は劣化していくもので、その状態を知ることができますし、プロでないとわからない問題を発見してもらうこともでき、大きな不具合が生じる前に事前に対策をする際にも役立つでしょう。
また、事業者によっては水周りの不具合や建付けなどに不調があれば、その場でできるのであれば、すぐに修理をしてくれるケースがあります。各設備の耐用年数に合わせてきめ細かいメンテナンスが可能なところもありますので、詳細はハウスメーカーとの契約の際に確認してみるとよいでしょう。
静岡のハウスメーカーで家を新築する際、法律では保証期間10年間が義務付けられています。そこに加えて各事業者では、期間延長や定期メンテナンスなど独自のサービスを行っていますので、契約前には保証内容についても確認するとよいでしょう。