公開日:2022/07/15
コロナ禍になって3年が過ぎた現在、注文住宅の人気はますます高まっているといえます。また注文住宅と一口にいっても平屋や2階建て、3階建てなど好みや家族構成、立地条件などで少しずつモノは異なってくるものです。そこで今回はこれら2つの住宅にスポットを当ててメリットやデメリットをそれぞれ紹介します。
まず初めに2階建て住宅におけるメリットとデメリットをそれぞれ紹介します。ここでいう、2階建てとは「総2階建て」のことで1階と2階がほぼ同じ作りをした注文住宅のことを指しています。
メリットとしては外壁面に凹凸がないので材料を節約でき、コストダウンができること、また単純な形状なので工期が短縮できることやバランスがよく上下の壁、柱の位置が合わせやすいので耐震性が高いなどが挙げられます。
ほかにも外壁面積が小さいため断熱性・気密性に優れており、屋根のつながりがシンプルなので断熱材の施工がしやすいことや2階に侵入しづらい、防犯性の高さなどが挙げられます。
対してこちらはどのようなものがあるのでしょうか。1つ目は1階と2階で外壁面に凹凸がないので単調なデザインになりがちなことがあります。そのためシンプルさを活かした設計の工夫が必要になってきます。
次に道路に対して2階が奥まっていないので道路斜線北側斜線など高さに関する法的な規制が受けやすくなってしまうということです。高さ制限の厳しい用途地域によっては敷地いっぱいにたてるのが難しいということです。
次に3階建て住宅には、どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。詳しくみていきましょう。
個室が多くできるのでメリハリのある暮らしができるということです。これにより個室や子ども部屋と共用スペースが離れているため、周りの音が気になるといった心配がなく、生活のメリハリがつきやすいといえます。子どもや両親との同居など、暮らしている家族が多い場合であれば、部屋数の多さはよいところであるといえそうです。最近ではリモートワークやオンライン授業などが増え「個室」対する人気が高まっていることからも充分メリットといえます。
対してこちらはどうでしょうか。メリットの側面を別の角度からいうことになりますが、階段の上り下りの多さや部屋数の多さは逆にいえば掃除や環境整備が大変になりうるというところが挙げられます。しかしながらその場合、畳一畳分ほどのスペースが確保できればホームエレベーターを設置するという手段もあります。またもう1つのデメリットとして、吹き抜けなどを設置すれば冷暖房効率も悪くなるということもあげられます。
ここまでみた方の中には「2階建て3階建てそれぞれいいところがあって、どちらにしたらいいのかわからない」と感じた方もいることでしょう。最後に迷ったときの注目ポイントを紹介します。
1つとして同条件の土地というものは存在しません。どの土地にもそれぞれ特性があります。それに合わせて建物を建てることは必須です。また同じ広さの敷地に建物を建てる場合であれば敷地の有効性としては3階の方がよいといえます。
ですが、法律に基づき、建物の種類、建ぺい率、容積率、高さ制限などが決まってきます。建売住宅の場合はそれらの条件のもと、作られているのですが注文住宅を考えている場合は希望の建物が建築できない可能性もあるので注意が必要です。
日本は世界有数の地震大国です。耐震構造の重要性はいうまでもありません。通常2階建ての戸建て住宅はほとんどが木造で建築基準法上「4号建築物」になります。この場合、一定条件のもと建築確認の審査を簡略化することが認められます。審査は省略されます。
ここで注意しなくてはならないのは2階建ての場合であっても構造上の法的な適合性の検討を省略していいというわけではありません。なお、3階建ての住宅はより厳しい構造規定をクリアし役所のチェックまで受けている点を考えると構造的にはより安心な住宅といえるでしょう。
純粋に価格のみでみた場合はどうでしょうか。その場合3階の方がより建築費用が上がります。しかし、3階建てにするケースでは土地面積が狭い場合が多くなるので土地価格を含めた物件全体の価格では2階より割安になることが多いです。また移動も多い分家事動線がスムーズにいかないというデメリットもある反面、駅近くなどに建てることができるメリットもあります。
「たくさん部屋数が欲しい」「生活音を気にしないよう、子ども部屋や仕事部屋とリビングはなるべく距離が欲しい」などが要望であれば3階の方がよいでしょうし「移動負担を少なく建築費も安く抑えたい」と思うなら2階建てもいいでしょう。大切なことは「自分たちが家を建てる上で何を一番大切にしたいのか」をよく考えるということです。家族とよく相談しながら自分たちのライフスタイルにより合った方を選ぶようにしましょう。
今回は注文住宅の中の「2階建て3階建て注文住宅」について詳しく紹介してみました。いかがでしたか。どちらも魅力的に映った方も多いのではないでしょうか。しかし、予算や建築条件、環境、家族構成など100人いれば100通りの考えがあります。大切なことは「自分の優先順位を明確にしておくこと」です。注文住宅購入を考えている方は今回の記事を読んでいただくことで、理想の注文住宅購入の一助となれば幸いです。